学術書の自費出版で考慮すべきこと【出版社別費用まとめ】

学術書の自費出版

学術書のほとんどは「自費出版」として出版されますが、その費用はおよそ20万円~300万円くらいが目安と考えておけば良いでしょう。基本的な仕様や求めるサービス内容によって金額の幅が大きく異なります。ここでは費用についてだけではなく、学術書の自費出版のメリット(意義)やその目的を明確にすることの大切さをお伝えしたいと思います。

  1. 学術書・論文の書籍化について
    1. 学術書を出版する意義
    2. 学術書を商業出版できる可能性は?
    3. 主となる目的は販売利益ではない
    4. 学術書出版の費用について
  2. 自費出版では研究費や各種支援を活用
    1. 学術書の自費出版について
    2. 科学研究費助成金制度
    3. クラウドファンディング
  3. 学術書の『コストパフォーマンス』を検証
    1. 発行部数について
    2. 在庫の扱い(販売)について
    3. 学術書出版のメリット
  4. 実際の出版における注意点
    1. 自費出版の費用
    2. 書籍タイトルの決め方
    3. 読者を意識した構成
    4. 表紙デザインについて
    5. 出版後のアピール
  5. 学術書や論文を自費出版するまでの流れ
    1. 1.諸条件の確認
    2. 2.契約
    3. 3.原稿の作成
    4. 4.編集作業(出版社)
    5. 5.原稿を確認
    6. 6.表紙デザインの確認
    7. 7.出版
    8. 8.関係各所への宣伝活動
  6. 学術書出版が可能なサービス・出版社【出版費用まとめ】
    1. 出版社名:玄武書房 【出版業者】
    2. 出版社名:株式会社イシダ印刷 【印刷所】
    3. 株式会社メルリンクス 【出版業者】
    4. 出版社名:小野高速印刷株式会社 【印刷所】
    5. 出版社名:三和書籍 【出版業者】
    6. その他・学術書出版を扱う印刷所や出版社
  7. 【まとめ】学術書を自費出版したいと考えるなら・・・
    1. 出版費用の捻出について
    2. 出版の目的を整理する
    3. 出版社・サービス選びのポイント
  8. 玄武書房で取り扱い可能なジャンル
    1. 学術書出版に関するお問い合わせ

学術書・論文の書籍化について

まず学術書や論文を出版する前に、その目的を明確にしておきましょう。
書籍化すること自体が目的にならないように注意が必要です。

学術書を出版する意義

学術書の出版は、著者個人の欲を満たすものではなく、その多くが『社会貢献』につながるものとなります。各分野の知識や情報を後世に残していくことで、将来の研究や発展にも影響してくるものです。それぞれの研究を学術書や論文という形にして発表することを行わなければ、それまでの研究が無意味になってしまいます。

学術書を商業出版できる可能性は?

一般的に学術書や論文の出版は自費出版で行われることがほとんどです。一般的な(著者負担なしの)商業出版として学術書が世に出ることはありません。これは単純な話で、コアな書籍では売り上げが見込めず、出版社が負担するメリットが少ないからです。しかし、自費出版であっても『商業出版』(一般ユーザーが購入できる出版形態)は可能です。

主となる目的は販売利益ではない

実際の話、学術書出版で『利益』を期待するのは難しいです。例えば、学術書の印税で“家を建てる”なんてことは非現実的なお話になります。そもそも研究結果を未来に残していくことが目的ですから、販売利益を考えるようなことは不要だと思います。ただし、自費出版における【著者負担を抑えていく方法】は考慮すべき内容だと思います。

学術書出版の費用について

学術書では「著者負担なしの商業出版」が難しく、ほとんどが自費出版となり、おおまかに言えば20万円~300万円くらいが目安になります。その金額の幅は広いですが、何にこだわっていくかを明確にすれば自分に合った学術書出版が可能です。

自費出版では研究費や各種支援を活用

学術書は一般的な自費出版とは異なり、その業界の各種研究費などの支援を受けることが可能です。
研究費の申請と審査はありますが、利用することで自己負担を削減できます。

学術書の自費出版について

先にお伝えした通り、学術書は「出版社負担の商業出版はほぼ不可能」に近いです。もちろん、企画書の持込みなどをしてみるのは良いと思いますが、もし過去に取引のある出版社であっても可能性は低いです。なぜなら、学術書は「編集者にとって未知すぎる」書籍であるため、それが売れるというイメージができません。つまり、商業出版しようという流れには至らないのです。

科学研究費助成金制度

文部科学省が行っている科学研究費助成事業で、日本学術振興会を通じて出版費用を研究費として申請できます。公募には受け付けしている時期があるので、事前にスケジュールをチェックしておきましょう。また実際の出版までのスケジュールも考慮しながら、出版社に費用や条件面などを問い合わせておくことが重要になります。その他に、大学や施設の研究費として処理できる場合もあります。

<日本学術振興会>
https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/

クラウドファンディング

上記のような『研究費』として処理できなかった場合、クラウドファンディングを活用する方法もあります。ただし、一般ユーザーからの支援は難しいと思ってください。商業出版として採用されにくい学術書ですから、一般ユーザーからは興味を持たれにくい(支援されにくい)のは当然です。つまり、その分野に強い専門家や同志を集めて、あなたの出版を支援してもらうという流れを作る必要があります。

学術書の『コストパフォーマンス』を検証

学術書は基本的に「印税での回収が難しい」書籍になるので、自費出版に関してはコスパを考えておく必要があります。

発行部数について

学術書を自費出版する際に「発行部数はどうすればよいのか?」という疑問があると思います。大は小を兼ねるので、多く印刷できれば良いのですが、その分費用がかさんでしまうという現実もあります。基本的には、その分野に携わる人口の絶対数を考えて部数を検討するのが良いと思います。また評判が良ければ増刷していくという手もあります。印刷の兼ね合いだけで言えば、『100部以下』ではコスパが悪くなります。

在庫の扱い(販売)について

自費出版でも商業流通(商業出版)は可能です。しかし、そのルートによっては在庫管理などの問題も生じてしまいます。場合(出版社)によっては、【管理費】として年間で費用が発生することがあるので注意が必要です。売れ残ったあげく無駄な費用がかさんでしまうという事態は避けましょう。

学術書出版のメリット

学術書の出版においては、どうしても費用面でのデメリットが目立ってしまうと思います。しかし、学術書や論文を形にして『公に残しておくこと』自体にどのような価値があるかを考えてみましょう。本来の出版する目的は【情報の共有】だと思います。あなたの学術書・論文は、今の世界を変える力を持っているかもしれません。もしくは未来の研究者たちにとっても、有意義な価値のある情報になるはずです。

チェック

実際の出版における注意点

次に、実際に出版に至るまでに注意すべき点をお伝えします。
より現実的に想像する(考えていく)ことで、何をすべきかが見えてくると思います。

自費出版の費用

出版社によって学術書の扱いは大きく異なります。基本的に出版社側としては売り上げが期待できない(期待しない)ため、編集や印刷費用はすべて著者負担となります。文字数や構成、部数や紙質(並製本・上製本)によって費用は変動します。学術書の出版に積極的な出版社(学術書の意義を理解している出版社)の場合、一般的な『自費出版』よりも低価格で利用できる場合もあります。

書籍タイトルの決め方

学術書は一般書籍とは異なるため、あまり「凝ったタイトル」はおすすめできません。直接的なキーワードをタイトルに埋め込む方が同分野の方たちが見つけやすくなります。その学術書・論文の内容が「誰をターゲットにするか」を明確にしていけば、おのずとタイトルは決まってくるものです。もちろん、プロ(出版社)の意見を聞きつつ、アイキャッチ的な視点も考慮していきましょう。

読者を意識した構成

学術書・論文の書籍化は読者が「専門家・研究者」になることが多いです。とはいえ、同ジャンルの専門家だけとは限りませんので、専門用語をわかりやすく解説していくなどの配慮も必要です。また著者のクセが多い文章は、読み手を選んでしまうリスクが発生します。出版社から編集の際に提示される修正などは素直に受け入れながら、読みやすい書籍を目指してください。

表紙デザインについて

基本的には『シンプルなデザイン』が良いでしょう。学術書という高尚なイメージから大きく離れると、専門家たちから避けられる可能性があります。基本的には「書籍タイトル」(内容)で興味を持つことが多いので、いわゆる表紙買い(ジャケ買い)されることはほとんどありません。無駄なこだわりや攻めすぎた表紙はマイナス要素が高くなるので注意しましょう。

<シンプル・イズ・ベスト>

シンプルな表示デザイン

出版後のアピール

これまでお伝えした通り、学術書が商業的に成功する(高い売り上げを見込む)可能性は低いです。それは専門性が高いため、一般ユーザーへの流通が期待できないことが理由です。しかし、本来の目的となる【情報の共有】においては、ある程度は広がってもらいたいところです。これは専門家である著者が、普段から「見ている媒体」や「利用している媒体」などへ個別にアピールしていくことが重要になります。

学術書や論文を自費出版するまでの流れ

細かくは出版社によって変わりますが、大まかな流れを見ていきましょう。

1.諸条件の確認

費用・部数・仕様・出版スケジュールなど、基本的な内容を確認してください。また、何社か見積もりをとることもお忘れなく。

2.契約

かならず契約内容を確認しておきましょう。著作権、電子書籍の扱い、印税など。

3.原稿の作成

元になる原稿(論文等)はあると思いますが、それを読者層に合わせて修正しましょう。

4.編集作業(出版社)

基本的な編集方針などを、最初の段階で確認しておくとスムーズです。

5.原稿を確認

様々な提案も出てくると思いますので、全体の統一を考慮してジャッジしてください。

6.表紙デザインの確認

著者のこだわりや希望を反映しつつ、シンプルなものに仕上げていきましょう。

7.出版

事前に時期(スケジュール)や告知先なども考えておくと良いでしょう。

8.関係各所への宣伝活動

学術書が自然と売れることはありませんので、著者の積極的な告知が重要になります。

学術書出版が可能なサービス・出版社【出版費用まとめ】

学術書は種類によりますが「A4サイズ」が多いと思いますが、費用によっては「B5サイズ」などを検討しても良いかもしれません。また文字数などによりますが、少なくとも200ページくらいでの見積もりが必要になります。

以下は、あくまで参考として見ていただくもので、各リンク先は掲載しておりませんので、気になる方はそれぞれの名称(出版社名・サービス名)で検索してみてください。

出版社名:玄武書房 【出版業者】

サービス名:学術書出版サービス

価格:低価格
費用:198,000円(最大8万文字/特別割引が適用された場合)

特徴:オンデマンド出版による商業出版(Amazonや楽天ブックスなど)が可能です。読者視点の編集にこだわり書籍としてのクオリティを目指しています。受注生産方式なので、在庫の概念がなく、部数を気にすることがありません。書籍サイズによる料金の変動もありません。書店への配本などはできません。

★はじめての学術書出版にオススメ★

出版社名:株式会社イシダ印刷 【印刷所】

サービス名:らく楽自費出版工房

価格:低価格
費用:B5サイズ/220ページ・100部=296,000円+オプション代=およそ30万円(目安)

特徴:原稿に対するアドバイス(読者視点の編集)はなく、基本的には完成した原稿を形にする、いわゆる「印刷所」による出版になります。書店での販売も別途料金は必要ですが可能です。A4サイズは別途見積もりが必要なので、そこそこ高額になる可能性があります。

★B5サイズであればオススメ★

株式会社メルリンクス 【出版業者】

サービス名:イープレス・自費出版ドットコム

価格:一般的な価格
費用:四六判他/200ページ・300部=262,000円+(表紙)6万円=およそ30~40万円(目安)

特徴:自費出版を主体としているので、様々な希望に対応してくれると思います。またリライトや録音の文字お越しなども対応(別途費用)しています。全国書店流通も別途費用になると思いますが対応しています。

★原稿の修正が不要な方にオススメ★

出版社名:小野高速印刷株式会社 【印刷所】

サービス名:学術研究出版

価格:一般的な価格
費用:B5-A4サイズ/200ページ・300部=(基本)225,000円+(印刷代)約30万円=およそ50万円(目安)

特徴:学術書に特化した出版サービスで、原稿の編集にも対応してくれます。特殊な販売ルートとして「BookWay」が利用できます。初期費用は先の2つと比べるとかなり高く感じますが、その分、印税率は高め(50%)の設定になっています。

★販売数に自信がある方にオススメ★

出版社名:三和書籍 【出版業者】

サービス名:学術書出版

価格:少しお高めな設定
費用:B5サイズ/200ページ・300部=約130万円(目安)

特徴:学術書の実績もあり、編集も行うため納得のいく原稿に仕上がると思います。教科書なども手掛けているという記載もありました。A4サイズは選択肢に出てこないので未対応の可能性があります。サービス内容等は事前にしっかり確認してください。

★資金に余裕がある方にオススメ★

その他・学術書出版を扱う印刷所や出版社

以下でも学術書出版が可能のようですが、あまり詳細の記載がないため、かなり『出版費用が高額』になる可能性があります。事前に詳細を確認することをおすすめします。

・学術図書出版・青山社
・太陽書房
・丸善学術出版サービス
・北斗書房-学術書出版
・時潮社
・三恵社-自費出版システム
・鳥影社

【まとめ】学術書を自費出版したいと考えるなら・・・

最後に、学術書出版におけるポイントをまとめておきたいと思います。
ぜひ自分に合った出版方法(サービス)を見極めていただければと思います。

出版費用の捻出について

研究費(科学研究費助成金制度)を活用したり、クラウドファンディングで同志を募ってみたり、ご自身の負担を極力下げられる方法を検討してみてください。学術書は、著者の「自己満足の出版」ではなく、現在や未来の研究者との【情報の共有】を目的とした出版になります。自己負担を抑えることができれば、さらに次の出版(2冊目)の可能性も高まると思います。

出版の目的を整理する

何度もお伝えしていますが、学術書の出版の主たる目的は【情報の共有】になります。そのためには読者に正しく伝わることが重要なので、今ある原稿(論文)をそのまま書籍化してしまって良いのかを考えてみてください。読者が読みやすいように配慮してリライトをした方が良いのは間違いないでしょう。読者を意識した原稿つくりこそが、本来の目的を達成するために欠かせないポイントです。

出版社・サービス選びのポイント

やはり費用や在庫管理の問題をクリアする必要があります。さらに『読者目線の本作り』も必要です。学術書の自費出版では費用の回収は難しいため、費用そのものを抑えたいと考える方も多いでしょう。しかし、読者目線の編集が行われない本を出版しても意味がありません。しっかりと、本来の目的を達成することを意識した編集をしてくれる出版社を探してください。安いだけを理由に選ぶのは間違いです。かならず何社かあたって、サービス内容をチェック(比較)してみてください。

玄武書房で取り扱い可能なジャンル

当方でも「学術書出版」を扱っています。基本的には【全ての分野】で対応可能です。書籍の編集作業においてその分野の専門家による監修などはありませんので、(確認可能な事実は調査しますが)著者の原稿内容を正しいものとして編集を行います。

数学・統計学・物理学・天文学・地球惑星科学・化学・生物学・計算機科学・工学・建築学・デザイン学・農学・医学・歯学・薬学・政治学・法学・経済学・経営学・社会学・教育学・哲学・宗教学・言語学・語学・人類学・考古学・歴史学・地理学・文学・芸術・心理学

学術書出版に関するお問い合わせ

下記より、「自叙伝出版&学術書出版」にチェックを入れてお問い合わせください。
メッセージに「学術書の自費出版について」と記載いただけるとスムーズです。

ご相談・お問い合わせ