自叙伝の書き方【保存版】正しい手法で「読まれる本」を作ろう。

重要)こちらは自叙伝の書き方についての詳しい情報になりますので、このページを保存しておくことをお勧めします。

<目次>
このページでは以下のような内容を扱っています。
・自叙伝の書き方タイプ(2種類)
1.年表型タイプ
2.ストーリー型タイプ
・出版目的別の自叙伝タイプ(3種類)
1.伝世型自叙伝
2.啓蒙型自叙伝
3.ビジネス型自叙伝
・共通した自叙伝の書き方
1.誰に読んでもらいたいかを考える。
2.あなたの人生を振り返る。
3.目次とサブタイトルを考える。
4.実際にパソコンで書いてみる。
・自叙伝の出版目的タイプ別の書き方
1)伝世型自叙伝の書き方
文章が苦手な人でも作れる自叙伝の書き方
家系図の挿入について
2)啓蒙型自叙伝の書き方
3)ビジネス型自叙伝の書き方
・ちゃんと読まれる自叙伝の書き方

★特に自叙伝を商業出版したい方は最後まで必見!★

自叙伝の書き方には“2つのタイプ”があります。
そして、自叙伝の出版目的には“3つのタイプ”があります。
今回は、それぞれのタイプに合わせた【正しい自叙伝の書き方】をお伝えします。

自分の経験や歴史を本(自叙伝)として残したい!でも、どうやって書いたら、ちゃんと伝わるか分からない。そのようなお悩みをお持ちであれば、この記事で“ある程度”の解消はできるでしょう。

私が「ある程度」と言いましたのは、結局、その『文章を書く』という行動に移せるかどうかは【あなた次第】だからです。しかし、本気で自叙伝の書き方を知りたいと思っている人にとっては有意義な情報になることを断言します。

正直、自叙伝を書くこと自体は難しいことではありません。

自叙伝を作りたいけど、実は【文章を書くのが苦手な人】(自信がない人)でも、ちゃんとした自叙伝を作れるような手法(書き方)もまとめていますので最後までご覧ください。

何より、自叙伝には「決まった形式」は無いので、例えば、あなたが思い出せる記憶をノートに箇条書きにしただけでも「自叙伝」と呼ぶことはできます。もし自叙伝の書き方にこだわり過ぎるあまり、あなたが書いた内容が“あなたの個性”を失っては意味がないのです。

つまり、自叙伝において最も重要なのは【あなたの個性】です。
そう考えてみれば、どう書けば良いか?という不安は少なくなると思います。
そこに“あなたらしさ”が存在することが重要だという考え方です。

しかし、次の決断として『自叙伝を書籍(本)にする』ことを考えるはずです。
そこで生まれる次の不安は【読者の存在】だと思います。
そして、自叙伝の書き方を学ぶうえで、最も意識すべきことがコレなのです。

さすがに、読者に対して「これが私の個性です!」だけでゴリ押しするのは難しいでしょう。自叙伝のタイプによっては、個性のゴリ押しでも問題ありません(のちほど)が、仮に、より多くの人に“あなたの人生”を知ってもらいたいと思い、商業的なルート『商業出版』を考えているのであれば尚更です。

それでは、実際に『自叙伝の正しい書き方』を見ていきましょう。

自叙伝の書き方タイプ

自叙伝には2種類の『書き方のタイプ』があります。
・年表型タイプ
・ストーリー型タイプ

もちろん、先に述べたように“基本的には自由である”ことをお忘れなく。
あくまで自叙伝を書くための目安として「一般的な書き方」をお伝えしていきます。

・年表型タイプ
あなたの人生を思い出しながら“生まれてから今まで”を順番に書いていきます。
基本的な目次構成も単純なので、誰でも悩むことなく書き進めることができると思います。

<年表型の目次構成>
1.生い立ち
2.幼年期
3.小学校
4.中学校
5.高校
6.大学
7.社会人
8.結婚
9.出産
10.転職
11.別れ
12.現在

ここでは目次の例として単純化していますが、できれば目次は『魅力的なサブタイトル』をつけるなどした方が良いでしょう。例えば、その時代のエピソードのなかで、もっとも印象に残っているシーンや現在の自分を作っている出会いなどがあれば、それをピックアップしてタイトルにしていきましょう。例えば『3.小学校・最凶かつ最愛のライバル』のようなインパクトが出せれば最高です。
※自叙伝の書き方に限らず、書籍(本)における【目次の重要性】については後ほど説明していきます。

・ストーリー型タイプ
言葉のとおり『ストーリー仕立て』にする自叙伝の書き方になります。
先の年表型タイプとは違い、書かれている順番は時代関係なく、回想と現実を行ったり来たりしても問題ありませんし、読者を引き込むための『構成』を考えることが重要になります。

<ストーリー型の目次構成>
1.起
2.承
3.転
4.結

ストーリー型を目指す場合には【起承転結】がなければ、読者は物足りなさを感じることになるでしょう。単純なものでも良いので「(歴史的な)伏線」があると読み応えや納得感が生まれます。主人公(著者)が子供の頃に体験した“あの出会い”が、今の“気づき”につながったという流れが伝わると最高です。
これは一瞬、難しいと思われるかもしれませんが、実際に生きてきた中で「過去の経験」が“今”に繋がっていることが多いので、自然と伏線となっていることが多くあります。

出版目的別の自叙伝タイプ

自叙伝の出版目的は大きく3種類に分類できます。
・伝世型自叙伝
・啓蒙型自叙伝
・ビジネス型自叙伝

それぞれ、あなたの目的などれかを考えてみてください。
その目的によって書き方も変わってきますので、後半でお伝えしていきます。

・伝世型自叙伝
伝世とは「後世に伝えること。子孫代々受け継ぐこと」です。
もうお分かりだと思いますが、こちらは家族や親族向けに作る自叙伝になります。こちらの書き方に関しては、正直、何でもOKだと思ってください。一般的な自叙伝の書き方にこだわることはなく、むしろ、あなたの個性をゴリ押しするくらいが家族にとっては「面白い」や「(あなた)らしい」と感じてもらえるでしょう。特に、直系のお子さんたちには、クセのある内容の方が親近感が湧きます。ただし、ちょっと離れた親戚の方たちには受けが悪いかもしれません。

・啓蒙型自叙伝
世間に知られていない病気の経験、誰もに襲い掛かる事件や事故の経験などを広めることが目的です。
何かしらの【啓蒙活動】として、自叙伝(出版)を活用していきたい人たちの自叙伝です。特に商業出版であれば、家族や親族のような小さな枠組みではなく、より多くの読者が手に取り、あなたの経験を知るキッカケが生まれます。こちらの書き方として重要なポイントは「自分だけじゃない」という共感性であったり、新しい知識や感性の気づきや発見を読者に感じてもらえるような構成と内容にすることです。

・ビジネス型自叙伝
当方(玄武書房)では『ブランディング出版』と呼んでいます。
例えば、何かを教える立場の人であれば、その経験や知識は財産であり、人を惹きつける魅力になるわけです。それを自叙伝として出版することによって、ご自身の存在をアピールすることができます。テレビや新聞のメディアに続き、本を「出版した」という実績は【新規顧客の信頼を勝ち取る】ビジネスチャンスになります。こちらの書き方は、かなり難しいのでプロの編集担当がいなければ『良質な本』は作れません。
≫玄武書房のブランディング出版

共通した自叙伝の書き方

自叙伝の書き方について、できるだけ『簡単である』ということをご理解いただきたいので、今回は4ステップにまとめていきたいと思います。

1.誰に読んでもらいたいかを考える。
2.あなたの人生を振り返る。
3.目次とサブタイトルを考える。
4.実際にパソコンで書いてみる。

最初から、あまり細かな話をしていくと「できないかも」と諦めてしまう人もいます。むしろ、見切り発車でスタートできる人の方が、ある程度の原稿を作り上げることができるので、出版までのゴールが見えやすくなります。まずは深く悩まず、あなたの自叙伝を“絶対に書きあげるんだ”という気持ちで読み進めてください。

1.誰に読んでもらいたいかを考える。

単純に「伝世型自叙伝」「啓蒙型自叙伝」「ビジネス型自叙伝」のタイプ別に考えただけでも、読者は大きく変わります。当然ですが、読者が変われば、書く内容も変わります。先に述べたように、それぞれの自叙伝タイプによって書き方も変化するので、読者(誰に)を意識した内容にしていく必要があります。

特に『ビジネス型自叙伝』においては、しっかりとターゲットを意識したタイトル決めや目次作りも重要になるため、プロによる市場調査なども必要になります。何となくの感覚だけでターゲットを選んでいる状態では、せっかくの自叙伝もブランディングにはつながりません。

2.あなたの人生を振り返る。

ココが自叙伝の書き方において『もっとも重要なポイント』になります。
自叙伝のタイプによって、書く内容も変わってくるのですが、ひとまず「一連の流れ」として、すぐに思い出せるものから書き出していきましょう。やはり、パッと思いつく経験や記憶というのは“あなたの人生”のなかで重要なエピソードとなります。

そのあとに、ひとつひとつのエピソードを深く掘り下げていきます。書き出した内容を見直しながら、詳細を書き出したり、他の登場人物を思い出したり、何を言われたかなども思い出せる部分は全て書き出していきます。もしかしたら、この時点で「そのまま原稿になる」レベルの内容を書いてしまう人もいるかもしれません。

・出生時
・幼年期
・小学校
・中学校
・高校
・大学
・社会人
・結婚
・出産
・子供
・現在

他にも思い出してエピソードになりやすいパターンがあります。

・病気やケガ
・事件や事故
・趣味
・恋愛
・放課後
・飲み会
・年間の行事
・個人的なイベント(誕生日など)

特に、幼少期や小学校時代に関しては、記憶が曖昧な部分も多いと思いますので、当時の写真などを見ながら、親御さんに話を聞いてみると良いでしょう。意外と記憶にはないけど、今の自分を作っている“何か”を発見することもあります。

人生(現在のあなた)を形成するなかで最も影響を与えるのは【出会い】です。

いろんな出会いはエピソードになりやすく、あなたの人生に影響している可能性が高いです。それは「人」との出会いだけでなく、「モノ」「仕事」「趣味」「遊び」「本」「漫画」「映画」「言葉」など様々です。それぞれをカテゴリ分けしておくと、ひとつのエピソードが膨らむのでお勧めします。

単純に、大きく分けて「人(仕事・言葉など)」「モノ(趣味・本など)」を意識するだけでもまとめやすくなると思います。例えば、高校時代の先生との出会いがあったとして・・・

高校時代・佐藤主任・明るく気さくだが要領は良くない・悪いことをして物差しで叩かれた・牛乳が好きすぎる・学祭「あまり頑張りすぎるな」・卒業式「俺の人生で最高の学祭だった」・同窓会「お前は才能はないが人間力がある」「実は最初は真面目さが苦手だった」

そのときに思い出したことがあれば時系列は気にせず、ひとまずメモを残しておくような感じで進めていきましょう。あまり時系列を気にしすぎると、大切な思い出を飛ばしてしまったり、あとから書き足したりすることになるので、出てきた瞬間に『書き出しておく』ことが重要です。
もしかしたら「忘れてしまう記憶なら重要じゃないのでは?」と思うかもしれませんが、人生における伏線になっていることもありますので、ふと思い出したことも全部書き出しておきましょう。

★なぜ、そんなに細かく書き出す必要があるのか?★

正直に言いますと、ここまで「細かく書き出しましょう」という手法を伝えている人は少ないです。本当は「気軽に自叙伝を書いてみましょう」でも良いのですが、今回、私が伝えたかった内容は『読まれる自叙伝の書き方』です。

この【読まれる自叙伝】で重要なのは“読者を意識する”こと。

自叙伝のタイプによって書き方も変わりますが、本を書くことにおいて“読者の存在”は重要です。基本的には、全体を通じて【矛盾が生じないようにする】必要があります。ストーリー型であれば尚更ですが、現在の“あなた”を作っているエピソードがチグハグであれば、あなたが何を語ったとしても説得力がなく、きっと読んでいても苦痛に感じてしまうでしょう。

あなたの人生を体験しているのは“あなただけ”なので、あなたの価値観や考え方を共有するために十分な情報(エピソード)を提供しなければいけません。あなたの中での常識が、読者にとっての常識とは限りません。その読者が「家族」でもあっても、他人だと思って『ゼロから伝える』くらいの感覚で自叙伝を書いていくことが大切だと思います。

3.目次とサブタイトルを考える。

まず、ここでは『目次の重要性』を再認識してもらいたいと思います。
皆さんが本を購入するときに「何を見て」購入を決断しますか?
きっと「はじめに」や「あとがき」を見て、文章の読みやすさや作者の人柄を見ると思います。
そして、何より【何を書いているか】を見るために、必ず【目次】を見るはずです。

もし、あなたがタイトル買いばかりするタイプの人だとするなら、ほとんどの読者が目次を見てから本の購入を決断することを再認識する必要があります。目次で売上(購入)も左右されると言っても過言ではありません。つまり、目次で“本の魅力”を伝えなければいけないということです。

ここで当方(玄武書房)で作った資料の紹介です。

さらに“魅力的な目次の作り方”について知りたい方は、下記より『資料請求』をしてください。ただし、伝世型自叙伝(家族や親族向けの自叙伝)に関しては、そこまで目次にこだわる必要がありませんので、本気で【商業出版をお考えの方のみ対応】させていただいております。

それでは本題へ戻ります。

このように、自叙伝および書籍においての“目次”は読者の『読む動機』につながる部分になります。それが商業出版であれば『購入動機』となります。つまり、目次には【人の心を動かす要素】がなければいけないのです。

今回の「自叙伝の書き方」のテーマとなる【読まれる自叙伝】において重要な部分です。

仮に、前のステップ「2.あなたの人生を振り返る。」で、どんなに素晴らしい素材が揃っていたとしても、この目次がダメなら読まれない可能性が高くなります。せっかく、正しい自叙伝の書き方を学んだのに、それ自体が読者に届かない(読まれない)のは非常に勿体ないと思います。

4.実際にパソコンで書いてみる。

もちろん手書きでも構いませんが、パソコンが扱えるなら、データとして入力することで作業効率が高まり、さらには自叙伝の出版費用も抑えることができます。もし原稿が手書きの場合には、それをデータ化する費用が発生するため、(文字数にもよりますが)追加で5~10万円程度が必要になります。

また手書きの場合には、最低限「他人が読める」程度のキレイな字を意識して書いてください。そのキレイさによっては費用が抑えられることもあります。最近は、文字を読み取るサービス(無料)などもあるのでご自身で取り込んでデータ化することも可能です。

当方(玄武書房)では、手書きのものであっても一連の作業のなかで対応していきますので、費用的にも抑えることができると思います。もし読者を意識した自叙伝を作りたいのであれば、ご依頼をお待ちしております。
≫玄武書房の自叙伝出版(商業出版のみ対応)
最大10万円のキャッシュバックあり!

自叙伝の出版目的タイプ別の書き方

1)伝世型自叙伝の書き方

基本的な書き方としては『年表型タイプ』で書き進めるのが良いと思います。
先に述べたように、単純な流れ(目次や構成)としては以下になります。

<年表型の目次構成>
1.生い立ち
2.幼年期
3.小学校
4.中学校
5.高校
6.大学
7.社会人
8.結婚
9.出産
10.転職
11.別れ
12.現在

細かなところで言えば・・・

・出生地(病院名なども分かれば記載)
・名前の由来(自分の子供の名前も)
・各時代の学校名(そこを選んだ理由)
・家族構成(特に両親の仕事や人柄)
・職場(会社名や部署名、仕事での功績)
・恋愛(身内が恥ずかしくない程度に)
・趣味の履歴(ハマったキッカケなど)
・登場人物(一覧表にしても面白い)

ここで重要なポイントは【読者が家族や親族】という身内であることです。伝世型自叙伝においては、全てを“赤裸々”に書かなければいけないわけではありません。あくまで伝えたいことや残しておきたい歴史を中心にまとめていきましょう。

単純に分けると、人生は「プライベート」と「仕事」から成り立っています。どちらかに的を絞ってから書いても良いと思います。もし、あなたのプライベートが異性にだらしがない人生であったとしても、そこは書かずに、あなたが子供たちに残したい『人生の教訓』などを書いていけば良いのです。もちろん、その教訓となった何かしらの経験は書く必要がありますので、伝いたいことに関係ない部分で「書きたくないこと」は書かなくても問題ありません。

それに身内の恥を聞かされても、読者となる家族や親族も恥ずかしいだけなので、もう一度読みたいとは思わない可能性が高いです。ここで取り上げている『読まれる本』という趣旨からいえば、次の世代(身内)が読んで、心を動かされる“あなたの想い”を書くべきでしょう。

▼文章が苦手な人でも作れる自叙伝の書き方

もし【文章を書くのが苦手な人】であれば、年表に特化した自叙伝を作ってみてはどうでしょうか?
箇条書きに書き出していったもの(2.あなたの人生を振り返る。)を年代順に並べていきます。生まれたときや幼少期のことは記憶もなく、曖昧な部分もあると思いますので、ご家族から聞いた話などを残しておきましょう。

1954年 誕生 大分県、大分大学付属病院、3200グラム
命名・登男(のぶお)、由来は父親が登山好きだったため
1955年 実家(本家)の火事、祖父母の焼死、親戚(宮崎県)の家で1年間生活
父曰く戦争時の疎開を思い出したとのこと
1956年 大分県に戻る、実家の焼け跡すぐ横に仮設の住宅
1959年 実家の焼け跡から1本の苗(桜)が芽吹く、父が植えた
夏の大雨、苗が流れないように父と作業



中略



2018年 孫の春樹、入園式、桜が満開
(完)

この例は、1本の桜の『ストーリー型』とも言える構成になります。このように自分の人生だけでなく、何かしらのアイテム(ここでは「桜」の木)を使ってストーリーをまとめるような工夫もできます。読み手側としては“オチ”があるので、読み応えのある内容に仕上がるでしょう。

別に、読者が身内なので上手に仕上げる必要もありません。単純に箇条書きを並べていくだけでも十分に“あなたの人生”を伝えることはできます。そして、読み手側も“あなた”のことを知るキッカケになるので満足感を得られると思います。

▼家系図の挿入について

せっかくなら、わかる範囲で構いませんので『家系図』を残しておくのが良いと思います。親戚の集まりで愛称で呼ばれる人たちも多いです。例えば「とも君」は「ともや」か「ともぞう」かわからないわけです。長年の時間が経つにつれて、まちがった記憶になることもあり、それを聞き直すには時間が経ちすぎていたり、あらためて聞くというのも躊躇われることもあります。自叙伝を作る機会にまとめておけば、家族たちも活用できて便利なので大切に保存されるでしょう。

 
2)啓蒙型自叙伝の書き方

こちらの書き方は『年表型タイプ』と『ストーリー型タイプ』の併用になります。
最大の目的は【啓蒙活動】になると思いますので、読者も家族のような身内だけではなく、一般の読者を視野に入れた内容になってくると思います。あなたの自叙伝の読者たちに「自分だけじゃない」という共感や勇気を与える本になれば最高です。

ここでベースとなるのは・・・

<ストーリー型の目次構成>
1.起
2.承
3.転
4.結

例えば、あなたの体験した『闘病記』を自叙伝にしていくのであれば、現状を「起承転結」の「起」で伝えるか、「承」で伝えるか、かなり難しいところです。幸せな生活を「起」で表現して「承」で病気が発覚するという流れもできますし、病気が「起」の時点で発覚することでインパクトのあるスタートにすることもできます。

これは“あなたが伝えたいこと”いわゆる【テーマ】をどこに置くかを考えてみてください。

もし伝えたいことが「誰にでも突然発症する病気なので健康診断には行きましょう」という内容であれば、幸せな生活を描いた後の病気発覚の流れが効果的でしょう。もし「同じような病気との闘い方や向き合い方」を伝えたいのであれば、「起」の時点で病名を出して、闘病の記録を書いていくのが良いでしょう。

ここで『年表型タイプ』の併用と書いたのは、読者に共感を与えるポイントがある部分(家族構成、家庭環境、年齢など)はしっかりと順番に伝えておいた方が良いからです。さらに例に挙げたような『闘病記』ではストーリー性だけでなく、どのように症状が悪化して、それと向き合い、どうやって改善するに至ったかという経緯を時系列の流れで矛盾なく伝えることが重要になります。

啓蒙型自叙伝においては、読者が『共感しやすい』内容を書いていくことがポイントです。

つまり、書く内容を選別することが必要です。もちろん、嘘はいけませんが、脚色はOKだと思います。もちろん、家庭環境によっては読者から支持されないことがあるので書かない方が良いこともあります。

ひとつリアルな話としてお伝えしますと、実際に映画化もされた「学校では落ちこぼれのギャルが有名大学に進学できた」という実話を元にした小説がありました。あれは“その通っていた学校”自体が有名な進学校であり、その某ギャルの素頭は良かった(やれば勉強はできた)という裏の話があります。実際に、それがバレて一部では叩かれていました。

ただし、読まれる自叙伝の書き方という視点では【共感につながりにくい部分は伝えない】というのは正解だと思います。あくまで「読まれる」ための提案です。あなた自身が全てを包み隠さず、自叙伝のなかに表現したいのであれば、それでも良いと思います。

もし商業出版まで考えているのであれば、私がお願いしたいのは、読者に対して「気づき」や「発見」を与える本にして欲しいということです。あなたの体験は「自分だけじゃない」という共感や勇気を与える可能性が秘められています。そのために隠したり、より強くアピールする“魅せる技術”が必要になります。

 
3)ビジネス型自叙伝の書き方

おすすめの書き方としては『ストーリー型タイプ』です。
この自叙伝タイプにおいて、読者が求めるのは「成功体験」であることが多く、あなたの生い立ちなど『年表型タイプ』の一部も必要になります。失敗(どん底)から成功という流れは重要な“惹き”になる部分です。

正直、このタイプに関しては大きく扱いません。

なぜなら、プロの担当編集がついて一緒に考えていかなければ良いものはできないからです。
「何を伝えたいか」「何を伝えるべきか」「結果として何を得たいのか」
そのようなリサーチから始まり、全体の構成を考えていく必要があります。

結果、ビジネス型自叙伝を書きたいと思っている人たちの目的が様々すぎるので、一概にお伝えすることが難しいのです。もちろん、細かなパターン設定をして分類するのはできますが、別の機会にしていきたいと思います。

ただし、何度もお伝えしますが、ひとりで作るには荷が重いと思ってください。

なぜなら、最終目的として『ビジネス』が存在しますので、読者がお客さんになるような戦略を持った自叙伝を書くことが求められます。ひとりで書いた作品というのは、かなり読みにくいものが多く、その内容もチグハグで一貫性を感じないものがほとんどです。

もし、あなたが既に作家として印税をもらって活動しているのであれば、このページを読んでいるわけがありませんので、おそらく【作家としては素人】だと思います。やはりビジネスとして出版を考えているのであれば、プロのアドバイスを受けながら自叙伝(作品)を作った方が効率も良いです。

当方(玄武書房)では、自叙伝のなかでも『ビジネス型自叙伝』には力を入れています。
≫玄武書房のブランディング出版

ちゃんと読まれる自叙伝の書き方

最後になりますが、読者が「読みたいと思う本」または「読みやすい本」を作ることが最低限のマナーだと思いますので、単純ですが、ありがちで忘れがちな『文章の書き方』のコツなどをお伝えしていきます。

▼目次設定
何度もお伝えしましたが、しっかりと目次は考えてください。
目次だけで興味を持ってもらえるような「各章のタイトル」や「サブタイトル」を考えてみてください。
キャッチコピーに関する書籍などを読むとポイントがつかめてくると思います。

▼改行、改ページ
改行のない文章は読みにくいのですが、意外と改行を忘れている場合があります。
時間の流れ、場所の移動、登場人物の変化、重要なキッカケなど、シーンの雰囲気に変化が必要な時には改行を入れて、読者に「一呼吸」する余裕を与えるようにしてください。

▼著者の紹介文
書籍の最後にある「著者の紹介文」も書いておきましょう。
特に、商業出版の可能性が高い『啓蒙型自叙伝』と『ビジネス型自叙伝』においては重要な部分になります。これまでの経歴などを確認してから購入を決定する人も多いです。

▼全体の文章について
「ですます調」「である調」どちらを使うかは、その本(自叙伝)の内容によります。
どちらが正解と言うことはありませんが、基本的には「ですます調」が無難だと思います。商業出版であれば、あなたのことを知らない読者がほとんどですから丁寧な「ですます調」が良いでしょう。

▼言葉の重複に注意
よくある「読みにくい文章」のひとつとして“重複”を避けるようにしてください。
例:と思います。~と思います。
例:重要な思い出を~することが重要です。
必ずしも間違ってはいませんが、どうしても読みにくいと感じます。
※狙って「ラップ」のように韻を踏むのはアリです。

▼平仮名、漢字、カタカナの使い分け
前後の文章を見ながら、読みやすい表現に変えていきましょう。
例:敢えて・あえて
例:決して・けっして
例:切欠・きっかけ・キッカケ
例:どんどん・ドンドン

▼面白みのあるストーリーの流れ
どちらでも可能ですが「失敗体験→成功体験」や「成功体験→失敗体験」など、その落差が激しいほど読者にとってストーリーとしての面白みが生まれます。今回は小説ではなく、ベースが自叙伝ということなので、嘘はいけませんが、面白みを与える脚色は問題ないと思います。

自叙伝を本気で商業出版したい方へ