あらためて原点に立ち戻り、自叙伝のメリットやデメリットに関して考えておきたいと思います。ただ「本を出版した」という自己満足だけで終わるのでなく、その目的を明確にすることで、より充実した出版ライフが手に入ると思います。
・自叙伝(じじょでん)とは?
・自叙伝を出版するメリットとは?
・自叙伝のデメリットとは?
・自叙伝の企画や出版はどこに相談する?
自叙伝(じじょでん)とは?
書店やネットショップで販売されている書籍には、いろいろなジャンルのものがあります。その中でも最近注目されているのが、自叙伝と呼ばれるものです。自叙伝は、他にも自伝といった呼び方がありますが、基本的には同じジャンルと考えることができます。どちらも、一言で言うなら「自分自身の人生について自分自身で書いた伝記」です。
自叙伝では、自分が歩んできた歴史や人生を文章にすることができます。絶対に真実のみしか記載してはいけないということはないので、話を盛ってみたり、架空のイベントを取り入れて、読者の心をひきつけるようなドラマチックなストーリーに仕上げても、他人の著作権やプライバシーを侵害しない限りは問題ありません。
近年では、この自叙伝を出版することが、中高年者の間ではブームとなっています。自分がどんな風に人生を生きてきたのかを、他人に知ってほしいと考える人が増えているということなのでしょうか。それとも自分が半世紀以上生きていると、その中で培った知識や経験を後世に残したいと考える人が多いからなのでしょうか。はたまた、近年では自叙伝という方法で後世に残せる方法が確立されているからなのでしょうか。いずれにせよ、自叙伝は、自分自身で企画を考え、ストーリーを書き、最終的には出版するという作業を行います。自叙伝作成のサポートを行っている出版社に相談しながら、方向性などを考えながら書いていくという方法もあります。
自叙伝を出版するメリットとは?
自叙伝を出版することには、いくつかのメリットがあります。まず1つ目は、自分が生きてきた人生を、証として残すことができるという点です。資産家や富裕層、激動の人生を歩んできた人にとっては、こういう人生もあるということをこれからを生きる人たちに知ってほしいと考えることは、当然のことなのかもしれません。
2つ目のメリットは、本という形で出版すれば、読者に影響を与えられるという点があります。本を出版するということは、当然ですがそれを購入する読者がいるわけです。私たちは誰でも、本を読んだらいろいろな感想を持ちますし、社会で成功した人のノウハウや生き様を自叙伝などで読むと、自分のこれからの人生のお手本にしようとか、反面教師にしようと考えるものです。面識がない他人に対して影響を与えられるという点は、自叙伝が持つ大きなパワーと言えるでしょう。
3つ目のメリットは、自分の人生を振りかえったり、見つめ直すきっかけとなるという点があります。私達の脳の記憶は、年齢を重ねるごとに老化によって少しずつ消えていくものです。しかしそんな中でも、強烈に覚えている子供の頃の思い出などはあるものです。自叙伝に描く際には、ボンヤリとした記憶だけではなく、記憶をより鮮明に思い起こしながら文章として仕上げなければいけません。そうした作業をする事で、自分自身の人生を振り返り、良かったことや悪かったことなどを見つめ直すきっかけづくりになるわけです。
4つ目のメリットは、自分で企画して出版する自叙伝でも、書店などに並べば読者ができます。もしもベストセラーになれば、一躍有名人の仲間入りを果たせますし、ベストセラーにならなくても、読者や他の作家などを交友関係が生まれるかもしれません。中高年になると、どうしても交友関係は狭くなる傾向にあるため、自叙伝という方法で新しく交友関係を築くということは、毎日の生活に刺激を与えてくれるという点ではメリットと言えます。
自叙伝のデメリットとは?
自叙伝には、いくつかのデメリットもあります。1つ目のデメリットは、企画や出版に際してかかる費用は、全額が自己負担になるという点です。ページ数や写真の有無、発行部数などによってかかる料金は異なりますが、目安としては100万円~500万円程度が相場となっています。経済的に余裕がない人にとっては、自叙伝を出版することは、贅沢な遊びになってしまう可能性があります。
2つ目のデメリットは、自分の人生が他人の知る所となってしまい、誹謗中傷を受けるリスクがあるという点があります。自叙伝を読んで共感してくれる人もいるでしょうけれど、批判や誹謗中傷をネットで拡散されたりする可能性はゼロではありません。その点は、あらかじめ理解しておかなければいけないでしょう。
自叙伝の企画や出版はどこに相談する?
もしも自叙伝の企画や出版に興味がある人は、自叙伝を取り扱っている出版社に相談することから始めると良いでしょう。相談すると、企画から出版までの流れを知ることができる他、出版にはどのぐらいの費用が掛かるのかといった見積もりも出してもらうことができます。相談する時には、ザックリとした流れを理解するとともに、分からない点や質問は、どんどん積極的に行いましょう。事前に聞きたいことがある人なら、リストアップして持参することをおすすめします。そして、納得した上で自叙伝の企画をスタートすると良いでしょう。