経営者が読むべき本:おすすめ書籍5選|成功するには『成功者』に学べ

経営者は責任が重大です。自分の行動の一つによって社員の生活は激変してしまいます。全方位にアンテナを立ててベストな経営をしていかなければなりません。
成功を収めている経営者が何を考え、行動しているか気になるものです。結果が出ている戦略戦術を学ぶことで自分の会社の業績が上がる可能性もあります。

では、超一流経営者が実践してきた手法を知るにはどうしたらいいのでしょうか?「オンラインセミナー」や「経営塾」などもありますが、手っ取り早いのは1流経営者が書いた書籍を読むことです。
この記事で経営者が読むべき、おすすめ本を紹介していきます。

成功している経営者から学ぶ意義

大企業や高収益を達成している経営者は経営ノウハウが確立しているかもしれません。
しかしながら、創業まもない経営者や業績が芳しくない経営者、もしくは近い将来起業を考えている人は、ひたすら学ぶことが大事です。
経営者として成功したいのであれば、著名な経営者の思考や行動を知ることで収益を上げるヒントになるでしょう。自分の経営戦略に落とし込んでいくことが成功への近道。視野を広げるためにも本を読むべきです。

書籍のなかには失敗談からスタートするものもあります。1流の経営者でも順風満帆で進む方が少ないと思います。もがき苦しみながら頑張る姿に勇気も貰えますし、モチベーションアップにもつながっていきます。
経営の本といっても基礎的なものから専門書までジャンルが広いです。背伸びして難解な本を読んでもまったく意味がありません。
まずは自分自身のレベルより下と感じるぐらいのものから読み始めると良いと思います。

経営者が読むべき本|おすすめ5選

日本だけ見ても優秀な経営者が多く存在しています。そのような方たちが書いた書籍も多数あります。経営者が読むべき本5冊を紹介します。どれもおすすめで経営のヒントが見つかるかもしれません。

1)経営12カ条 経営者として貫くべきこと

著:稲盛和夫(日本経済新聞出版・2022年)

要約

「これさえ守れば会社事業は必ずうまくいく」と表紙が目に行く本書の著者は経営の神様と呼ばれている稲盛和夫氏。京セラやKDDIの創業、JAL再建などを成し遂げた日本を代表する経営者。稲盛氏は残念ながら2022年8月に亡くなってしまいました。最後の遺作は著者の代表作である『稲盛和夫の実学』『アメーバ経営』と共に未来永劫語り継がれていく一冊です。

書評

稲盛氏が経営の要諦と位置づけている「経営12カ条」。稲盛イズムの総集編といえる内容で経営に携わる人であれば読む選択以外考えられないでしょう。この12カ条は1条ごとに要点が講話で書かれており、補講でQ&A形式で復習する形になっています。京セラやKDDIの創業、JAL再建はこの「経営12カ条」があったからと言われるほど重要なものです。

「経営12カ条」はどれも平易な言葉で説明されていました。経営の原理原則はシンプルなのだけど、奥が深いと実感します。単純だからこそごまかしが効かないものなのかもしれません。頭では分かっていても実践できる人はそうそういないでしょうが、経営の神様の思考に少しでも近づくことができたのは至福の喜びでした。多様性が求められる令和の時代にはそぐわないのでは?と思う方もいるかもしれませんが、本書の内容は王道です。時代に流される程度の薄いものではありません。経営の軸がしっかり学べます。

稲盛氏は組織をアメーバに見立てて独立採算をする「アメーバ経営」や人生哲学であり経営哲学の「フィロソフィ」などでも知られます。「経営12カ条」と一緒に学ぶことでより高次元で経営者の資質が上がっていくでしょう。超一流経営者の本は得るものしかないといって過言ではありません。経営者、または目指している人、リーダーなどは絶対に読むべき名書です。昭和の時代はカリスマ経営者が多かったと実感しました。

2)世界標準の経営理論

著:入山章栄 (ダイヤモンド社・2019年)

要約

世界で標準となっている経営理論とは何か?世界の主要経営理論は約30あります。本書ではその理論を圧倒的ボリュームで解説しています。経営理論の専門書でビジネスパーソンのバイブルになる一冊。著書は他に『世界の経営学者はいま何を考えているのか』『ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学』などがあります。

書評

著者は冒頭でビジネスパーソンや経営者、起業家がターゲットで、経営学の大学院生や研究生にも読んで欲しいと言っていました。かなりハイレベルな内容です。提案に対して、明確に理由がかかれています。そのため理不尽に感じることがなく、読んでいて理解不能に陥ることはないでしょう。

この本の感想を求めたら100人中100人がボリュームと言うのではないでしょうか。トータルページ数は驚きの862ページ。ビジネス書の平均が200~300ページぐらいなので、この分量がどれだけのものか分かっていただけると思います。自分の勉強不足で申し訳ないですが、聞いたことがないような経営理論がこれでもかと紹介されています。本書は章ごとに独立した内容なので興味をもった箇所から読むことを推奨します。最初からすべて理解する気持ちで読み進めてもギブアップする可能性が高いです。ではなぜここまで難しい本を紹介したのかということなのですが、内容が本物だからです。世界の経営理論をここまで網羅している本はそうそうないと思います。豊富な図表が提示されているので、何度も読み直すことで少しずつ理解していくだけでも十分すぎる知識が増えていくでしょう。

著者はビジネスパーソンをかなり意識して書いています。ビジネスパーソンとは、ビジネスマンやビジネスウーマンの代わりとして使われるようになってきた言葉。グローバルな経営理論について書かれている本だけあってとてもフィットする言葉でしょう。経営学は現場を知らない人たちの理論にすぎないと否定的な意見もあります。 「経営をしたことのない人間が経営を教えるな」論争は続いています。理論と実践の乖離は大きいと思いますが知識として学ぶことでマイナスになることはありません。経営学を学問として学びたい方は読むべきでおすすめです。

3)日本一やさしい経営の教科書

著:小井土まさひこ(あさ出版・2020年)

要約

日本一やさしい経営の本です。「ヒト」の章では「社長の肝臓の強さが会社の強み」。「おカネ」の章では「借りられるなら借りられるだけ借りる」。「社長」の章では「マネでもいい。経営計画書は今すぐ作る」。いまだかつてこのような経営本があったでしょうか?実際の経営を元にした画期的な経営入門書がここに誕生。

書評

著者が「これから会社を創業する人」や「創業してまもない社長」がターゲットと名言しています。著者の創業から数年間の経営を凝縮して紹介しています。必要最小限のことがまとめられています。いきなりハイレベルを目指すのではなく、手が届く範囲からひとつずつステップアップしていこうというスタイルに共感が持てます。

感想を述べます。中途半端に応用編などを執筆するより、基礎だけに特化して余計な部分を削ぎ落としたのは評価できます。大学の教授が書いたような高尚な本より、現場で実務をして成功を収めた人の体験談や思考を知りたいものです。経営の本にリアリティを求める方が多くいると思います。著者はほどよい規模の会社社長です。読む方も自分を投影しやすいのではないかと思います。なんでもかんでも難しければいいわけではないと思えた本です。また、自分が成功したのは「運」の要素が強いと言っている姿は誠実さが感じられました。初心者向けなので物足りなさもありますが、得る情報の方が遥かに上でした。

一つ前に紹介した『世界標準の経営理論』が本格推理ミステリーだとしたら、本書はライトノベルみたいです。これは批判ではなく、経営の本はさまざまな種類があると分かっていただけると思います。安心してください。ここで紹介しているぐらいだから中身はしっかりしています。普段本を読まない方で経営の本に興味がある場合は入門書としておすすめできます。

4)お金の流れが一目でわかる!超★ドンブリ経営のすすめ―社長はこの図を描くだけでいい!

著:和仁達也(ダイヤモンド社・2013年)

要約

決算書なんて読めなくても大丈夫!一枚の地図を使うだけでお金の流れが分かるようになります。本書は儲けの仕組みが分かり経営を把握するための指南書です。2005年に出版された『脱どんぶり経営』に加筆修正したものになります。

書評

決算書を読めることが正しい経営を行うこととイコールではないのです。税理士や会計士は数字のプロですが、経営のプロではありません。本書で説明されている「1枚の図」を用いることで「お金の流れ」と「金の勘所」がはっきりと見えてきます。視覚効果で脱どんぶり経営を目指します。

読んでみた感想ですが、本書は経理を学ぶためのものではなかったです。タイトルの「超ドンブリ経営」だけを見ると、ただ本を売りたいだけの内容が薄いもの勘ぐりましたが、それは大間違いでした。「経営判断で必要などんぶり」を知ることで物事を大きな視点で見られるようになる実践書です。数字だけでは本質を見抜けず、大事なものを見逃してしまう危険性が高いと実感させられました。アプローチの仕方に目から鱗でした。会社を経営するにあたり、大事な要素の一つがお金に関することです。そこを重点的に勉強したい方には最適です。どちらかというと初心者向けかもしれません。しかし経理に詳しい方でも別角度の視点で考えることができるので、参考になることが多いのではないでしょうか?

お金の流れと構造を深く知ることで本当の「どんぶり経営」ができるようになるかもしれません。お金の流れ(収益・費用・利益)に関することがスッキリ整理されています。この本は経営者側視点からお金の流れを勉強するための本であり、経理に関する専門書ではありません。決算書を読めるようになりたいのが主目的であるならばおすすめできません。逆に個人事業主や中小企業の経営者なら読むべき一冊です。

5)ワークマン式「しない経営」-4000億円の空白市場を切り拓いた秘密

著:土屋哲雄(ダイヤモンド社・2020年)

要約

4000億円の空白市場を開拓した手法を、ワークマンの専務である土屋哲雄氏が執筆した話題の一冊。ワークマンの経営ノウハウが学べます。ブルーオーシャン市場から拡大していった戦略戦術まで解説されています。「しない経営」と「エクセル経営」で成功した要因など、ワークマンが成功した理由が丸わかりです。

書評

「10期連続最高益を達成!」するようになるにはどれだけ社員が頑張ったのでしょうか?驚くかもしれませんが、ワークマンは頑張ることを禁止しています。「残業はしない」「社内行事はしない」「ノルマや短期目標を設けない」など他の企業がしていることをせずに業績を上げています。本書はワークマンの軌跡を見ながら経営戦略を知ることができます。

ワークマンと言えば現場向け作業服の専門店で独占をしていました。ブルーオーシャン状態でしたが、著者が入社してから業績拡大をしていきます。自分はずっと急成長を遂げた経営戦略を知りたいと思っていました。興味があったので一気読みをしたのですが、素晴らしい一言でした。著者がまずしたことはワークマンの分析をして、何をすればいいのかを徹底的に模索。ブルーオーシャン市場の探し方や戦い方など詳細に解説されていました。「市内経営」と「エクセル経営」についても納得でき感心することだらけ。最新のビジネス界では脱エクセルに進んでいますが、ワークマンはエクセルを重要視した結果、10期連続最高益を達成しました。こういうのってなんか痛快ですよね。

結果が出ている経営法で日本企業の悪しき経営方法が否定されているのも面白いです。「幹部の思いつきアイディア」や「生産性のない会議」など無駄を排除した方が業績UPに繋がっています。 「ワークマン女子」もトレンドになっており今後も成長していくのでしょう。ビジネスパーソンなら必読レベルでおすすめできます。成功者の手法を知ることができるだけで価値が計り知れない一冊です。

玄武書房の経営者向けのビジネス書籍

中小企業の生存戦略-持続的発展を目指す経営読本
矢作慧

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中小企業の生存戦略-持続的発展を目指す経営読本

『ストーリーで学ぶ会社の仕組み』会社で必要なことはこの本で学べる
田中利秋

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まとめ

いろんな経営者の思考を学ぶことはとても有意義です。先人たちや現役経営者の声は最高の指南役となります。
ビジネスパーソンとして自己投資を怠ってはいけません。人は学ぶのをやめた時点で成長をすることができなくなってしまいます。現状に満足せず高みを目指すことが成功する秘訣です。

今回紹介した経営者が読むべき本はほんの5冊ですが、内容が詰まったものばかりでおすすめです。
もし書評をみて気になったのがあれば手に取ってみてください。どれを読んでも経営のヒントに繋がると思います。