自費出版のやり方をゼロから紹介【売れる書籍の条件とは?】

自費出版について

自分一人ですべてを行う「個人出版」ではなく、出版社経由の自費出版の紹介になります。はじめての自費出版では、出版のやり方や業界の状況なども分からないと思います。ここでは皆さんが『自分の本』を出版できるように少しでも前進してもらえるような情報をお伝えします。

さらに原稿つくりや出版社への依頼のやり方や流れについてもポイントをまとめながら紹介していきます。自費出版そのもの(概要)についての詳細は下記にまとめているので、そちらをご確認ください。

【初心者も安心】自費出版とは?費用や印税についても詳しく解説

自費出版のやり方(3ステップ)

自費出版のやり方と言っても、基本の流れは3ステップで完結します。
・原稿つくり(著者一人で作業)
・原稿チェック(第三者の確認が重要)
・出版契約(自分に合った出版社探し)

ステップ1・自分なりに原稿を完成させる

ここでのポイントは“自分なり”に原稿を完成させることです。特に執筆がはじめての方の原稿は『読みにくい原稿』が多く、ほとんどの場合で手直しが必要になります。それでも出版社によっては『文字数』や『内容』によって見積もりが変わってくるので、最低限の原稿は用意しておく必要があります。

・原稿つくりの超基本

はじめての原稿では小中学校の国語の勉強レベルの修正も多くあるかもしれません。例えば、文体の「ですます調」と「である調」が混在していたり、単純な誤字や間違いなども含まれていると思います。これらは原稿の修正をしてくれる出版社を選択することで改善されます。

・伝えたい内容を箇条書き

ゼロから原稿を書き始めるようとすると確実に失敗します。まずは自分が伝えたいことを箇条書きにしましょう。この作業はパソコンを使って行うと順番の入れ替えや編集がしやすいので、ぜひ最低限のパソコンスキルを身に付けてから執筆してください。またデータの原稿がなければ「文字の入力費用」が追加されてしまうので、実際の自費出版のコスト削減にもつながります。

・目次(構成)を考えていく

先に箇条書きにした内容を『読者に伝わりやすい』順番に並べ替えてみましょう。基本的には「似た内容」や「時系列」を意識しておけば問題ありませんが、第三者のアドバイスなどをもらいつつ、読者を意識した構成を心がけていきましょう。

・全体の文字数を考える

全体の文字数は「ページ数(紙の枚数)」や「編集作業費」などの自費出版の費用にも影響します。はじめての出版でやり方が分からない状態であれば【8万文字以内】を目安にすると良いでしょう。多くても10万文字くらいに抑えておいた方が無難です。なぜなら、文字数が多すぎる書籍は【読者の負担】になるので、結果として読まれない本が完成してしまいます。

・文字数を割り当てる

目次(箇条書き)に文字数を割り当てていきましょう。その割合は『伝えたい内容』の重要さに比例すると考えてください。本当に伝えたい部分とそうでない部分が自分でも明確になるはずです。例えば、「第1章=4000文字、第2章=6000文字、第3章=8000文字、第4章=8000文字」のような感じで執筆作業の目安にもなります。

・執筆作業を習慣化する

出版したいという意欲があっても原稿を完成させるのは容易ではありません。現在、働いている方であれば仕事以外のプライベートを活用するしかありません。おそらく平日の夜は疲れていて書けないはずです。とはいえ、土日になるとダラダラして筆が進まないと思います。まずは【執筆を習慣化】できるように1日30分とか、土日の各1時間など短時間でも良いので継続してください。

ステップ2・第三者に見てもらう

必ず原稿には第三者の意見を取り入れていきましょう。自費出版の正しいやり方として、自分以外の視点を取り入れることがポイントになってきます。はじめての執筆では「読者の気持ち」を考えることは難しいので、初原稿は一般的な書籍よりも見劣りすることがほとんどです。

・家族や知人に頼んでみる

本の内容によりますが、まずは家族や知人(同僚など)に見てもらいましょう。おそらく、それなりに反応は良い(悪くはない)はずです。家族や知人も出版においては素人なので、本を書いたという事実に感動して応援してくれることが多いです。その状態から出てくるアドバイスはかなり有益(少なくとも最優先で直さなければいけないもの)です。

・ネットで探してみる(無償&有償)

家族や知人が難しい場合にはインターネットを活用していきましょう。すでにSNSなどでつながりや関係のある人がいれば原稿を読んでもらいましょう。他にも、有償のココナラ(プロや半プロが集まる仕事マーケットサイト)などで依頼すれば率直な感想がもらえると思います。

・出版社の担当者による確認(自費出版の契約後)

自費出版と言っても、そのサービス内容はさまざまです。著者が書いたものを(何も手をつけず)そのまま出版する場合もあれば、しっかりとタイトルや目次の再検討から始まり、原稿のアドバイスや修正まで行ってくれる出版社もあります。基本的には原稿チェックや修正のある出版社を選びましょう。

ステップ3・出版社に出版の相談をする

それでは自分なりの原稿が完成した状態で出版社に連絡をします。自費出版を扱う会社は「出版社」と「印刷所」などがありますが、その費用や提供サービスは大きく異なります。自分の目的に合った業者を選んでいきましょう。

・簡単な書籍の紹介文を考える

まずは出版社に「どのような書籍であるか」を伝える必要があるので、自分の作品の紹介文や概要をまとめておきましょう。なぜなら、他者の著作権を無視したような作品や法律的に問題のある作品は出版できないからです。自費出版だからと言って何を書いても良いわけではありません。

・どのような条件にするかを考える

まずは「書店に並べるかどうか」で費用面が大きく変わります。最低限の条件として「書店に並べる」か「ネット販売のみ」を決めておいた方が良いですが、見積もり段階では両方の費用を出してもらっても良いでしょう。他にも「ハードカバー」にすると高額になります。

・出版社にコンタクトをとる

ホームページなどの問い合わせから連絡をしていきます。直接の電話よりもネットやメールの方が先方も対応がスムーズになることが多いです。基本的にはビジネスにおいて電話を使うのは効率が悪く、その情報も正確にキャッチできないことが多いので止めておきましょう。

・見積もりや条件を確認する

原稿の状態(完成度や文字数など)や希望する仕様・販売方法によって見積もりが大きく変わります。チェックすべきは「販売ルート」と「部数」と「コスト」ですが、他にも原稿の編集(修正)があるかどうかなどもポイントになります。

自費出版の費用

出版社から出てくる見積もり書にはしっかり目を通していきましょう。そこに含まれていないものがないか、含まれていない場合の対応はどうかなども事前に確認してください。

書店に並べたい場合

無名の著者の本(自費出版)を書店に並べるには『スペース買い』をする必要があります。そのため、過去の出版経験者の情報によれば、2000部で200万~250万円くらい、500部で75万円というような高額な金額が多く見受けられます。また書店に並べられる期間は決まっているので、必ず事前に確認しておきましょう。

費用を抑えたい場合

一般的な自費出版で200万円もの費用を支払うのは無謀です。仮に2000部つくったところで実際に売れる部数はたかが知れていますので、その費用だけの価値があると感じられるかは難しいところです。インターネットでの販売であれば費用を抑えつつ、出版の実績を残ることが可能です。また長期的にネット販売できる契約であればチャンスは残ります。ネット販売なら50万円以内で可能です。

電子書籍のみの場合

正直、電子書籍のみという自費出版はオススメできません。なぜなら、出版社などを経由せずとも個人で出版できるからです。わざわざ高額な自費出版をせずとも『個人出版』が可能なわけです。読者によっては「電子書籍しか出版できない著者」という認識になることもあります。有料のブログやnoteの延長戦上のようなイメージに近いかもしれません。費用は3~5万円くらいです。

保存用の書籍の場合

自分の記録や家族に残す書籍(保存用)の自費出版であれば、およそ30~100万円くらいが目安になるでしょう。保存用の場合、原稿の編集作業などは省略できると思うので、その分のコストは抑えられます。原稿に対する作業というよりは、単純に印刷に関する費用(紙代・インク代)がメインになります。もしハードカバーにすると費用は1.5~2倍に跳ね上がります。

自分に合った出版社を選ぶ

自費出版の正しいやり方として、出版社選びがすべてだと言っても過言ではありません。事前に費用やサービスなどを確認して、自分の希望に合った出版社を探してください。

原稿チェックや修正をしてくれるか?

保存用の書籍ではなく、一般ユーザーが購入する可能性があるならプロによる原稿チェックは必須です。読者目線の編集がなければ良い作品にはなりません。電子書籍ならすべてを一人で行う個人出版でも良いと思います。

想定した予算内で出版できるか?

基本的に先に決めた予算をオーバーしないようにしましょう。例えば、書店に並べることを優先したせいで高額になったり、部数を減らされたり、本来の目的から外れるような自費出版は避けてください。

細かな条件をチェックしておく

あとからトラブルに巻き込まれないように、以下のような条件(契約内容)は確認しておきましょう。
・追加費用の発生
・出版後のPRや宣伝
・売れ残りや在庫の扱い

売れる書籍の三大条件

ここまでは自費出版の基本的なやり方をまとめてきましたが、最後に「書籍が売れるかどうか」について最低限の押さえておくべきポイントをお伝えしておきます。

タイトルがターゲットに合っているか?

書店であれ、ネット販売であれ、本のタイトルは重要です。読者が最初に目にするのは『タイトル』なので、そこにターゲットに響く言葉がなければスルーされてしまいます。直接的なキーワードや間接的でも確実に伝わるニュアンスを含めておきましょう。例えば、かっこいいタイトルだと考えて「横文字・英語タイトル」などにしたら売れ行きは半減どころか1割くらいになると思ってください。無名の新人作家であれば、直接的に読者の心に届くタイトルにすべきです。

読者目線で書かれているか?

あなたの本を購入してもらったのに読者に響かなければ、その自費出版は大失敗と言えます。第三者の編集作業(原稿チェック)が入っていない場合、やはり著者の独りよがりな文章になっていることが多いです。これが個人出版の電子書籍のクオリティが低いと感じる原因です。文章が上手い下手だけではなく、その読み手の意識をしっかり理解できているかどうかがポイントになります。ぜひ正しく想いが伝わる書籍を出版してください。

メディアに取り上げられやすいテーマか?

少し運の要素もありますが、各種メディアに取り上げられることで売り上げは倍増します。とはいえ、自費出版(無名の新人作家)の書籍が販売直後から話題になることは少ないです。しかし、出版後の口コミなどでメディアに取り上げられることは少なくありません。どうしても時節や流行的なものもあるため、確実に狙っていくのは難しいですが、少なくとも多少の戦略を考えながら出版する(テーマを絞っていく)と良いと思います。

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