商業出版が難しい理由【業界人が教える出版までの高い壁】

商業出版は難しい!実際に「本を出版をしたい」と思ってネット検索してみると、商業出版の難しい現実を突き付けられることになります。文章力があるだけでは良い本は書けません。もし良い本(原稿)ができたとしても出版までに至ることはないでしょう。まずは商業出版の難しさを知るために、出版業界の現状をお伝えしたいと思います。

<目次>
・商業出版が難しい時代に突入
・商業出版が難しい理由とは?
・どうすれば商業出版ができる?
・あなたの強みを考えよう!
・出版したい目的を考えよう!

商業出版が難しい時代に突入

最近は商業出版の募集も減っていますが、もし応募できたとしても、実際に出版できる人の割合は「3/1000人」程度と言われています。しかも、残りの人たちは原稿すら見てもらえていないのが現状です。詳しくは後ほどまとめますが、シンプルに言えば『売れる可能性がある本』だけしか商業出版されません。ここで言う「商業出版」とは、著者の負担がない商業出版のことです。

とは言え、実際には、自費出版も含めれば商業出版(商業的な流通で販売・著者の印税がある・ISBNが付与されている)そのものは難しいことではありません。つまり、本をより多くの一般読者に読んでもらう手段は存在するということです。

他にも、中堅どころの出版社から出版できるようにサポート(講座など)しているような会社もあります。もちろん、対外的には、各出版社が認めた商業出版となりますので、正直、出版までにやるべきことが多く道のりも長い、その分、通常の自費出版よりも高額な受講料を支払うことになります。

商業出版が難しい理由とは?

今回あげている理由以外にも商業出版が難しいとされる理由はたくさんあります。そのなかでも、わかりやすい3つに絞ってみました。何より商業出版が難しい理由を知ることで、その対策(企画の持ち込みなど)も浮かんでくると思います。

・売れる本だけを出版

ものすごく現実的な話になりますが、皆さんもご存知のように『今は本が売れない時代』になっています。電子書籍などの影響も言われていますが、正直、それ以前に「本を読む文化」が薄れてきたからだと思います。そのため、出版側からすれば『売れる本』を作りたいわけで、ただ売れる程度ではなく“確実に”売れる本を作ることを優先するのは言うまでもありません。

・判断するのは出版社

当たり前ですが、著者負担のない商業出版においては、本作りのプロである出版社が判断をします。今の時代、素人作家を育てるような余裕もないので、何千、何万と届く企画書のなかから『売れる本』を探していきます。どんなに素晴らしい原稿ができあがっていても読まれることはありません。なぜなら、まず判断材料とされるのは『企画書』だからです。著者の原稿(文章力)の前に、企画書による『プレゼン力』を試されることになります。

・ライバルがいっぱい

先に述べたように「3/1000人」という確率をクリアしなければいけません。特に、最近は商業出版の公募は少なくなったので、ひとつの窓口に人が集まってくるので大変です。また、少なくなった理由は「本が売れない時代」であると共に、クオリティの低い企画書が増えたせいでもあります。良くも悪くも、誰でも発信できる時代になり、気軽に「私も出版してみたい」と考える人が増えているのも原因です。

どうすれば商業出版ができる?

・まともな企画書を持ち込む

気軽に出版したいと考える人が増えています。もちろん、その考え自体は悪いことではありませんが、商業出版を舐めている人や謎の自信過剰の人が多いということです。最近の持ち込みされる企画書のレベルが低いのがその証拠でしょう。何を伝えたいのか、誰に伝えたいのか、伝えたことでどうなるのか、なぜ“あなた”が書くのか、最低限のプレゼン内容が欠けているものが多いです。それでは、もし素晴らしい原稿が完成していたとしても、企画書が通らない限り、商業出版するのは“夢のまた夢”となります。それだけ商業出版は難しいことを再認識していただきたいと思います。

・出版社にコネを作る

これが意外と堅実な方法かもしれません。やはりコネは重要です。あなたの人柄を知ってもらうことで、あとで提出する企画書にも説得力が湧いてくるのです。無名素人作家の方であれば、この流れで出版できたパターンもかなり多いと思います。しかし、自費出版以上にお金も時間もかかる可能性があります。なぜなら、その出版社のパーティー(出版披露や主催イベント、編集担当者や関係者の講演など)に出かけていき、時間とお金を消費することなるからです。

・商業出版ができる自費出版

自費出版であっても、出版社を経由することで「商業出版」になります。商業出版とは、一般的な商業流通で本を販売して、著者が印税をもらうことです。あと紙の書籍であればISBNの付与もあります。著者負担のない商業出版は難しいことはお伝えした通りです。では、あなたは出版することを諦めてしまうのか?厳しく聞こえるかもしれませんが、諦めることができるくらいの“その程度の”企画書が商業出版の審査を通過できるわけがありません。もしかしたら、商業出版は難しいと考える前に、そのスタートラインにすら立っていなかったのかもしれません。本気で「本を出したい」なら、商業出版する手段はたくさんあります。

あなたの強みを考えよう!

正直に言いますと、出版社が求めている「売れる本」が必ずしも「良い本」とは限りません。なかには一般読者を置き去りにしたような本もあります。例えば、有名ブロガーの本のなかで、ブログをそのまま(一切のリライトをせずに)本という形にしただけのものなど。実際には無料で読めるブログに書いているものをお金を出して買わせようとする質の低い本が完成します。ただし、有名ブロガーさんには固定ファンがいますので、そのファン向けに本にするという意味では価値があり『売れる本』と言えます。

皆さんがやるべきことは、商業出版が難しい理由から分かるように、企画を持ち込むなら売れる本(売れるかもしれないと思わせる本)を考えなくてはいけません。あなたが書きたいと思っていることの読者層などを考えてみてください。あまりコアすぎると、読者の絶対数が少なくなりますし、あまり広すぎると、ライバル書籍が多くなり、差別化が難しくなってしまいます。

出版社が求める一つに「売れるジャンル」であること。そして「ライバル書籍が少ない」こと。そのような矛盾にも感じる内容ですが、もしかしたら『スキマ』があるかもしれません。最近では「斬新な面白さ」という視点も重視されています。新しい可能性として、口コミ戦略が可能な本も存在します。これまでになかった「新しい面白さや価値観は、SNSなどを通じてユーザー間で広まりやすい傾向にあります。その場合には、持ち込む企画書のなかで広がる可能性を示してください。

事実、出版社(企画書を審査する人たち)も新しいものを生み出したいという“クリエイティブ”な人が多いです。そして、現在のSNSの状況なども把握していますので、それがハマれば商業出版の可能性も高まると思います。あなたができること、あなたが書けること、それらにプラスした新しい風を加えることで、新しい本(作品)が生まれると感じてもらえるかもしれません。

出版したい目的を考えよう!

あなたは「なぜ、出版したいのか?」を改めて考えてみてください。もしかしたら、出版以外の手法が適しているかもしれません。今はネット動画なども広く利用されています。私は、ブランディングにおいては「本を出版すること」が、手が出しやすい(挑戦しやすい)ジャンルであり、短期間で結果も見えるツールだと思っています。

本を出版したいと思う人は、おそらく本が好き(嫌いではない)だと思います。別に「読んだ本の数」は関係ありません。きっと、そのなかの本に何かしら影響を受けていると思います。自分の心動かした本があるはずです。つまり、自分が受けた感動や衝撃を、次(あなた)の読者に届けたいと感じているのではないでしょうか?

きっと出版して得られるメリットは、単なる「本を出版した」満足感だけではないと思います。それを読む読者とのつながりを感じる瞬間が多々あります。実際に、私も商業出版をしてみて感じたのですが、本が売れて、その本を読んだ読者から「納得」や「喜び」の声をいただいくたびに、本当に商業出版をして良かったと実感できます。

玄武書房の商業出版について

当方(玄武書房)では“3種類の商業出版”を用意しています。それぞれの著者に相応しい形式を選んで、商業出版ができるように考慮しております。全てがより多くの読者に届くために「商業流通」を行います。本を書くのが初めての方でも、タイトル決めや目次作りなど基本的な部分からサポートしていきます。