商業出版するには業界の基礎知識が必要【全て教えます】

商業出版するには、大きく2つの選択肢があります。出版社に企画書を持ち込んで商業出版をするか、商業出版ができる自費出版の出版業者を選ぶか。当然ですが、前者はライバルが多く商業出版できる確率は低いので、今すぐに出版したいのであれば選択肢は後者になります。

<目次>
・商業出版するには
・通過する企画書の作り方
・出版社に持ち込む方法
・商業出版するには何が大切?
・商業出版できる自費出版
・商業出版とブランディング

商業出版するには

一般的に、商業出版するには「出版者に企画書を持ち込む」ことが主流になります。ただし、最近は持込できる出版社も少なくなって、ライバルが集中しているという状況です。業界的な数値で言えば、たった「3/1000人」が持ち込みから商業出版に至るというのが現実です。

そう考えると、商業出版するにはライバルたちに勝たなければいけないということです。あなたの書きたい本がライバルたちに勝てるのかどうか、現時点では、あなたは“あなたの本”に自信があるかもしれません。実際に持ち込んでみればわかります。きっと企画書の段階で落とされるはずです。

どんなに素晴らしい原稿であっても、それが読まれなければ意味がありません。そして、原稿が読まれるためには企画が通過しなければいけません。文章能力とプレゼン能力は似ている部分もありますが、より短い文章(短時間)で相手の説得や納得を得る技術が必要になります。

商業出版するには、何より企画書を通過させることが重要です。本の内容をより明確に、より魅力的に、より売れると感じされる必要があります。そのターゲットは「読者」ではなく、出版社の「編集担当者(もしくは関係者)」であることをお忘れなく。もともと、あなたの書いた内容(ジャンル)に興味が薄い人である可能性が高いわけです。

通過する企画書の作り方

商業出版するには企画書を通さなければいけません。その企画書で必要なプレゼン力とは何か?これは簡単なこと『売れると錯覚させる力』になります。正直、本が市場に受け入れられるかどうかは、出版してみないと分からないのです。それは普通の商品でも同じですが、どんなに市場調査をしていても、良くも悪くも予想外の反応の方が多いものです。

しかし、本は普通の商品とは違い、リニューアルや再開発の難しい商品だと思います。例えば、食品であれば味を変えたり、家具であれば付属品を付けたりできますが、本は“ちょっとした改変”が難しいのです。しかも、売れなかった本であれば、書店員さんに「売れない本」として認識されていますので、リニューアルしたところで置いてもらうことすらできないでしょう。

つまり、出版社側からすれば“確実に”または“堅実に”売れる本を作りたいわけです。でも先に述べた、本の売れ行きに確実性はありません。そこで出版社に「売れる」と思わせることを考えるのではなく「売るイメージ」が湧いてくるような企画書を作るようにしてください。

この「売るイメージ」とは、市場に対するアプローチの戦略と言えば分かりやすいと思います。どのような市場があって、何を欲しているのか、それがどれだけの市場規模なのか、これくらいは最低限必要になります。また商業出版するには、著者としての説得力も必要なので、あなた自身の実績などをアピールするポイントを考えてみてください。

出版社に持ち込む方法

しっかり企画書を書いたら、次のステップになります。当たり前ですが、商業出版するには「出版社」の存在が欠かせません。どこの出版社が良いのか?ほとんどの方が大手の名前を思い出すわけですが、最近は大手になればなるほど商業出版の募集はしていません。なぜなら、全体的に企画書のレベルが落ちてしまったということが原因のひとつになります。

近年、インターネットとSNSの発展により、個人が発信する機会が増えてきました。そのため、出版をしたいと考える人が増加しています。しかし、文章力や表現力が乏しい人たちも多いわけですから、そのようなレベルの人たちの企画書を読んでいる暇はありません。もちろん、なかには磨けば光る人もいますが、一昔前とは違い、現状では「著者を育てる」余裕が出版社にはないのです。

基本的に企画書の“使いまわし”はNGです。ほとんどの場合、出版社毎のフォーマットがあるので、それに合わせて作り変えてください。よく「どうせ同じような内容だから、このままで受け取ってほしい」と考える人がいますが、そのような姿勢の時点で出版社側の信頼はゼロになります。

これから企画書を審査して“もらう”側が低姿勢と最低限のマナーを忘れてはいけません。商業出版するには、出版社に認めて“もらう”必要があるわけです。正直、著者としてというより「人」として信頼できる
かどうかが重要です。もちろん、出版社は会社として利益が上がれば良いわけですが、企画書段階では明確な利益は判断できないので、最終的には「人柄」や「信頼性」で選ばれることが多いです。

商業出版するには何が大切?

上記のように企画書を書いて、出版社に持込をして、そのような流れの中で「商業出版するには何が大切なのか?」は何となくお分かりいただけたのではないでしょうか?

今回は細かな作業や方法よりも、もっと前提となる基礎知識をお伝えしています。例えば、企画書の書き方や目次作りなどは、私の方でも個別に教えたりもしていますので、お気軽にお声掛けください。そちらはマンツーマンでやっていくので有料になります。

商業出版するには『企画書』の「プレゼン力」が重要になり、そのためには出版社(編集担当者や関係者)を「売れる」と錯覚させる「市場調査」や「自己アピール」が必須です。そして、出版社に嫌われない最低限の人間力(礼儀やマナー)も注意しなければいけません。

商業出版できる自費出版

おそらく、こちらの記事を見ている皆様のほとんどが「商業出版するには、何をすればよいのか?」ということに興味があり、その商業出版とは「著者の負担がない出版」をイメージしているのではないでしょうか?しかし、今後は商業出版ができる自費出版という選択肢も考えた方が良いかもしれません。

もし、出版の目的が「一生のうちに一度だけ出版したい」ということであれば、特に出版すること自体に緊急性であったり、必要性も感じられないので、何度も頑張って出版社に企画書を持ち込んでいけば良いと思います。

あなたの出版の目的が、今、もしくは近い将来に「出版による恩恵が欲しい」ということであれば、不可能に近い商業出版を目指すのではなく、現実的な商業出版ができる自費出版をオススメします。もちろん、当方で扱っているのが自費出版だから進めているのですが、冷静になって、今の『あなたの企画書』が商業出版できるかどうかを考えてみてください。もしくは、実際に挑戦して持ち込みしてみてください。

少し注意すべき点としては、自費出版をあつかう業者のなかでも、ただ著者が書いたものを“形にするだけ”の出版社もありますし、当方のように“読者目線のアドバイス”をして加筆や修正をして一緒に本を作って行くところもあります。

これは著者のタイプによって選択すると良いとも思います。例えば、自分の書いた内容に絶対的な自信があり、一切変えたくないし、変える必要もないと考えている著者(絶対に企画書の持ち込みでは出版できないタイプ)なら、何も口出しをしない、作業的に形だけを作る出版社を選ぶのが良いと思います。ちゃんと読者の視点から必要な加筆や修正をしたいのであれば、ちゃんとアドバイスをしてくれる出版社を選ぶと良いと思います。

商業出版とブランディング

これまでお伝えしたように商業出版するには2つの方法(持ち込み型、自費型)があります。最初はひとつの体験として持ち込みをしてみても良いと思います。なかなか難しいハードルだということはご理解いただけたと思いますので、正直、それで通過しなかったとしても落ち込む必要はありません。もちろん、その本の内容が悪いという判断でもありません。あくまで、その出版社の担当者が「売れる」と判断しなかっただけなのです。

そして、出版社の担当者も“ひとりの人間”であり、その人の趣味嗜好や好き嫌いという『個人的な見解』によって判断されている部分が大きいのです。現実問題として、そもそもの市場規模が小さいと判断される本(内容)であれば、正直、どこの出版社に持って行っても、持ち込みによる商業出版は難しいと思います。その場合は、どんなに完璧な企画書を作ったとしても、自費出版という形を選択するしかありません。

ただし、自費出版が劣っていると勘違いしている人も多いと思います。もし自費出版で出された本のクオリティが低いと感じているのであれば、その本の出版社が『監修をしていない出版社』ということでしょう。先ほども述べましたように、ただ本という形にするだけの出版社もあります。

もし、出版の目的として『ブランディング』を意識しているのであれば、形にするだけの出版はやめておきましょう。むしろ、マイナスのブランディングを行うことになります。しっかりと読者の視点からアドバイスを受けられる出版社を選んでください。正直、私の知る限りでは、そこまで真剣に1冊の本に向き合っている自費出版の出版社は少ないです。

玄武書房の商業出版について

当方(玄武書房)では“3種類の商業出版”を用意しています。それぞれの著者に相応しい形式を選んで、商業出版ができるように考慮しております。全てがより多くの読者に届くために「商業流通」を行います。本を書くのが初めての方でも、タイトル決めや目次作りなど基本的な部分からサポートしていきます。