商業出版できる出版社の選び方|企画別による相性をチェック

商業出版できる出版社は数多くありますので、どの出版社を選べば良いのか?と悩んでしまう人も多いと思います。それぞれの出版社において商業出版できる企画やテーマは制限されていませんが、あなたが書きたいと思っている本(企画書)との相性はあります。

<目次>
・商業出版できる出版社とは?
・企画(テーマ)の種類
・商業出版の出版社と企画の相性
・出版社と企画の相性の調べ方
・テーマに合わせた企画書作り

商業出版できる出版社とは?

近年、商業出版を“公に”募集している出版社は少なくなりました。なぜかと言えば、本が売れない時代に突入したのと同時に、SNS時代に移行したことで「何かを発信したい人」が爆発的に増えてきました。そのため、その発信媒体のひとつとして「出版したい」と考える人も増加しています。

実際には商業出版はハードルが高く、それなりに著者のレベルも高くなければ成立しません。それを知らずに(もし知っていても)あまりに気軽に応募してくる人が増えてしまったのです。つまり、寄せられる企画書のほとんどが商業出版を考えられるレベルに達していないのです。

簡単に言えば、読んでも意味のない企画書が増えすぎたせいで、商業出版をあつかう出版社側の負担が増えてしまい、公には募集を控えようと考えたのだと思います。特に大手出版社は一般著者の募集をしていませんので、可能性としては「何かしらの賞」への応募くらいしか商業出版できる可能性はありません。

<商業出版できる出版社>

大手出版社のなかでも「宝島社」や「ダイヤモンド社」は(比較的)募集も公にしているので応募は可能です。どちらかと言えば、ビジネス系のジャンルに強いですが、取り扱っているジャンルも多種にわたっています。ちなみに、現在(2019年)は郵送以外での受け付けはしていません。

とりあえず、大手は無理ということで、次に中堅の出版社を狙っていくわけですが、正直、中堅どころの出版社であればどこでも同じです。ただし、ジャンルによって強烈なインパクトのある出版社もあります。例えば、医療系の本であれば「医学書院」や「中外医学社」などはブランディングとしても強いでしょう。

商業出版を公に募集しているということは、その分ハードルも高くなるので、実際に“あなた”が商業出版できる可能性は低くなります。とは言え、応募もせずにあきらめる必要はありません。企画書の段階で落ちることは当たり前!という認識さえあれば落ち込むこともないでしょう。

企画(テーマ)の種類

本の企画書におけるテーマ(ジャンル)は様々なので、あなたが書きたいジャンルは明確にしておいた方が良いと思います。しっかりジャンルを絞った方が、ターゲット選定もしやすく、わかりやすい(読まれる)企画書となるでしょう。

出版業界的にジャンルと言うと、詳しい人だと「分類コード」を思い出すかもしれません。が、そのような専門的な意味合いではありません。もっとシンプルです。特に、商業出版においては「本棚」というイメージが近いかもしれません。

書店に行くと本棚毎に「あみもの」「児童教育」「情報処理」といった看板や札を目にすると思います。それがジャンルです。もしくは、Amazonであれば「カテゴリー」や「ジャンル」と言えば分かりやすいかもしれません。専門的な「分類コード」よりも、読者目線で区分されていると思ってください。

分類コード
Amazonのジャンル(本)

もちろん、このなかには無い言葉でも「ジャンル」になります。例えば、結婚に関する言葉として「婚活」や「妊活」のようなワードはAmazonのジャンルにはありません。Amazonでは「恋愛・結婚・離婚」や「妊娠・出産・子育て」という区分けになっています。

ある意味、キーワードとして設定できるような言葉は全てジャンルとして考えても問題ありません。一応、Amazonなどの一般的な区分けを把握しておくことで、出版社への伝え方も変わってくると思います。注意点としては、一般的に知られていない言葉は使わないようにしましょう。編集担当者は何でも知っているわけではありませんので、誰でも理解できるような企画書を目指してください。

商業出版の出版社と企画の相性

商業出版ができる確率を高めるには、出版社の特徴を知らなければいけません。あなたが出版したい本のジャンル(テーマ)が、その出版社に合っているかどうかです。どんな出版社でも商業出版において強いジャンルというのがあります。大手の出版社ならどこでも一緒ではありません。

また強いジャンルだけでなく、その時期によって「力を入れているジャンル」というのもあります。商業出版を募集している場合には、そのジャンルが書いている場合があるので応募条件や要綱をホームページなどで確認してください。逆に言えば、それ以外のジャンルは審査が通るのは難しいかもしれません。

もし何種類か複数の書きたいこと(出版したい企画)があるのなら、その出版社に合わせた内容を選択するか、時代の旬(ブーム)に沿った内容を選んで行くことで商業出版の可能性が高まります。また、あなたの出版の目的を明確にしておくことで、選ぶべき出版社も変わると思います。

出版社と企画の相性の調べ方

あなたの企画との相性で考えるなら、その出版社の過去の商業出版を見ていけば“相性の良い出版社”を探すことができます。応募したい出版社のホームページやAmazon(本)などで、その出版社が販売している書籍を調べてみましょう。そこで、注目したいのは「宣伝の力の入れ方」です。

わかりやすいところを紹介しておきます。出版社のホームページであれば、その書籍の専用ページがあったり、トップページからバナーで誘導していたり、しっかり宣伝されている本を調べます。Amazonサイトであれば、レビュー数の多さをチェックしてください。売れている本(=出版社が力を入れて売った可能性が高い)はレビュー数が多いので分かりやすいです。

当たり前ですが、近々に発売されているものから調べてください。出版業界にもブームがありますので、基本的には1年以内の情報くらいしか参考になりません。ただ周期的にいろんなジャンルでブームは再来するので、そのタイミングが合えば商業出版の可能性は高まるでしょう。

テーマに合わせた企画書作り

最後に少しだけ企画書作りにもふれておきます。そのジャンル(テーマ)によって、より求められる情報や狙いやすいターゲット層というのがあります。例えば、健康というジャンルで「長生き」がテーマの企画書だとすれば、その本を読みたがるターゲット層は明確なので、児童向けに長生きのテーマ(企画書)を提出しても出版社からはスルーされるでしょう。今の時代、婚活向けであれば20代よりも30代、終活の本なら50代より60代です。

もちろん、あえて主となる世代や視点をズラすことで、企画書にオリジナリティ(あなたらしさ)を出すことも可能です。その場合には、それが求められている(読まれる)市場やニーズがあることを納得させるだけの情報が必要になるので、しっかりと企画書に落とし込んでいきましょう。

商業出版の出版社を選んで、その会社やテーマに合わせた企画書を書くことを意識することで“あなたの本”が世に出ていく可能性は広がります。たしかに、著者負担なしの商業出版はライバルも多く難しいのですが、どうせ諦めるなら、ぜひ挑戦してから諦めてください。結局のところ、ちゃんと行動できた人から結果が出せるのはどの業界でも同じだと思います。

玄武書房の商業出版について

当方(玄武書房)では“3種類の商業出版”を用意しています。それぞれの著者に相応しい形式を選んで、商業出版ができるように考慮しております。全てがより多くの読者に届くために「商業流通」を行います。本を書くのが初めての方でも、タイトル決めや目次作りなど基本的な部分からサポートしていきます。